ナマステ。米国ハイテク企業が、インドへの投資を加速させています。
2010年代をふりかえると、米国・中国の時代だったといえると思えますが、個人的には、2020年代はインドの時代が来ると思います。
今回は、インド株式の今後の見通しと、おすすめ銘柄を調べてみました。ご紹介するのは米国ADRから8銘柄です。
インドの基本情報
国名 | インド共和国 |
首都 | デリー |
人口 | 13憶8000万人(2020年) |
通貨 | 1INR(インドルピー)=1.41円(100円は約70INR) |
税金 | ・配当金への現地課税なし ・売却益についても現地課税なし |
インドは、18世紀ころから長らくイギリスの支配下におかれていました。しかし、非暴力で有名なマハトマ・ガンディーらの活躍もあり、第二次世界大戦後の1947年に独立を果たしています。
仏教発祥の地ですが、ヒンドゥー教徒がもっとも多く信仰されています。ヒンドゥー教にはカースト制という身分制度があり、序列としては①バラモン(司祭)②クシャトリア(王族・貴族)③ヴァイシャ(市民)④スードラ(労働者)の順に高次の存在であるとされています。
カーストは親から子に受け継がれるものであり、生きている間に高次のカーストに上がることはできません。また、カースト制により、職業も親から子に受け継がれるため、かつては職業選択の自由もありませんでした。酷い制度ですね…
インドがITが強いと言われているのは、このカースト制度に原因があると言われています。
社会的身分の低い職業に従事している人が成り上がるためには、SE等のカースト制に規程されていない新しい職業に就くしかないからです。
お隣の国は、中国・パキスタン・スリランカ等です。近くにはイラン・イラク・アフガニスタン等、危険な国がひしめいています。中国・パキスタンとは時々衝突しています。
また、イギリス支配下にあったため、経済においてはその影響を色濃く受けています。イギリス同様、株式の配当金・売却益への現地課税がないです。
例えば、米国株の配当には、現地課税額が10%かかります。そして、日本でも約20%課税され、約70%の配当しか受け取ることができません。
この点、インド株の配当に対する課税は、日本国内のみなので、約80%の配当金を受け取ることができます。
世界各国の配当への税金等については、こちらの記事もご覧ください↓
インド経済の今後の成長可能性について
人口増加数、生産年齢人口比率
インドの人口は右肩上がりを続け、2030年ころには中国を抜いて世界1位となる予定です。
なんと毎年2500万人も子供が生まれています。ちなみに日本は2019年に86万人しか子供が生まれませんでした。
私が経済成長の原動力として最も着目しているのは、生産年齢人口比率です。これは全人口のうちの、15歳以上65歳未満の人の割合です。
インドでは2020年代から2050年代に、そのピークを迎える予想です。
日本においては、1960年代から1990年代にかけてピークを迎えました。中国では2000年代から2030年代にピークを迎えています。
この期間は、両国の高度経済成長期と重なります。
つまり、2020年代から2050年代にかけて、インドは高度経済成長を遂げる可能性が高いです。
GDP成長可能性
グラフから、インド国民1人当たりの名目GDPは右肩上がりに成長していることがわかります。しかしそれ以上に高成長を遂げているのは中国です。
その理由は、先ほどのグラフの通り、この期間に生産年齢人口比率がピークを迎えたからだと考えます。
中国の生産年齢人口比がピークを迎えることができた要因の一つに、医療水準が向上していることもあげられます。2017年において、平均寿命は76歳と先進国に肉薄しています。
インドも、2017年において、平均寿命は69歳まで上昇しており、さらに乳幼児死亡率にも大幅な改善見られます。
ただ、経済発展に伴って多くの公害が発生していますし、スラム街の不衛生さ・人口密度は世界屈指です。公衆衛生の改善が今後の成長の鍵となるでしょう。
さて、中国では、2000年からの20年間で、1人当たり名目GDPは12倍にも上昇しました。
インドも同じ道を辿るとすれば、これからの20年間は、インドへの絶好の投資の機会となるでしょう。
モディ政権の政策に期待感
2014年に発足したモディ政権は、2019年の総選挙でも大勝しました。
モディ政権には目玉政策が複数ありますが、そのうち私は
- ①メークインディア…製造業の割合を16%→25%まで上昇させる。
- ②デジタルインディア…行政サービスの電子化等を推進。
- ③クリーンインディア…公衆衛生の改善(トイレ100万個新設等)。
に着目しています。
①中国は安価な労働力を活かして世界の工場となりました。中国のように世界中の企業を呼び込んで製造業を発展させることができれば、爆発的な成長が約束されます。
②インドの魅力はなんといってもITですから、政府がそれを後押ししてくれているのは心強いですね。
③また、公衆衛生の改善は、生産年齢人口比率を高めるためには急務です。
SENSEX指数について
SENSEX指数は、インド株式市場の主要指標(日本でいうところの日経平均株価)です。
インドムンバイにあるボンベイ証券取引所に上場している主要30銘柄で構成される時価総額加重平均指数を言います。
1978年を100として、現在の時価総額を算出します。
基本的に右肩上がりですが、リーマンショック時には50%以上下落しています。
今回のコロナショックでは25000を割り込むまで下げる場面がありましたが、すぐに回復し史上最高値を更新しています。
現在の数字が45000近くですから、2000年から10倍以上になっていますね。
ですが、2000年からの20年間で、名目GDPは5倍ほどにしかなっていません。今後の成長への期待から株価は常に割高な水準にあります。
私としては、今回のコロナショックの底値である25000付近であれば買いたいと思えるレベルです。
米国ADR8銘柄からおすすめ銘柄を紹介
これまでの説明どおり、インドは投資先として非常に有望です。
ただ、残念なことに、外国人投資家の個別株の購入は禁止されており、実は個別株を購入することはできません。
そこで、米国ADRの出番です。詳しい説明は省きますが、インド企業が米国の市場でも上場しているため、米国株を購入するのと同じようにインド株を購入できるのです。
そんな便利な米国ADRですが、日本のネット証券会社で取り扱いがあるのは、8銘柄のみです。
企業 | 概要 |
HDB (HDFC Bank) | インド中央銀行から分離独立した商業銀行。企業や中高所得者向け金融サービスに重点 |
IBN (ICICI Bank) | インド国内2位の商業銀行。投資銀行、生損保等のサービスも展開 |
RDY (Dr.Reddy’s Laboratories) | インドの代表的製薬メーカー。多くの特許を持ち製品を世界中に輸出する |
INFY (Infosys) | インドの大手ソフトウェア受託開発企業 |
WIT (Wipro) | インドを代表する総合ITサービス及びコンピュータ関連技術企業 |
SIFY (Sify Technologies) | インドの代表的ネット企業。ポータルサイト運営、Eコマース、ネットカフェ、ケーブルTVなど |
TTM (Tata Motors) | インドの自動車メーカー。商用車で高シェアを誇る |
VEDL (Vedanta) | 石油や鉄鉱石などの開発を世界的に手掛けるインドの総合資源会社 |
この貴重な8銘柄のうち、私がおすすめしたいのは次の5銘柄です。
銀行株2銘柄[HDB][IBN]
インドの経済成長にかけるなら、一番安定して成長しそうなのが、銀行株2銘柄です。
この2銘柄はSENSEX指数の構成銘柄でもあります。
事実、ここ数年は非常にきれいな右肩上がりの成長を遂げています。
インドの経済規模は、今後何倍にも膨れ上がることが予想されます。
当然ですが、経済規模が膨れ上がってお金の動きが大きくなればなるほど、銀行は儲かります。
最近の株価は割高感があり、大きくポジションを取るのは躊躇われますが、長期で見れば鉄板の銘柄といえるでしょう。
HDFC銀行については、以下の記事もご覧ください。
ハイテク3銘柄のうち、デジタルインディアの牽引役[INFY]超小型株[SIFY]
ハイテク3銘柄のうち、私の注目はインフォシスです。
同社は、ITコンサルティング・アウトソーシング(外部委託)を主とした企業です。
企業を相手に、同企業の社内システム等の構築・運用を行うことが主な業務ですね。
モディ政権下で、行政のIT改革が進められています。
国の基幹をなす事業を国外企業にアウトソーシングすることは難しいでしょうから、このような行政改革は、今後インフォシスにも恩恵をもたらすのではないかと考えています。
インフォシスについては、以下の記事もご覧ください。
そのほか、ウィプロ、サイファイテクノロジーの2社がありますが、ウィプロに関しては、ここ数年業績がパッとしません。サイファイも同様です。
ただ、サイファイは、時価総額が超小型株であり、もしかすると超成長を遂げてくれるかも…と思って所持しています。
インフォシスは、北米での売り上げが大半を占めますが、サイファイはインドでの売り上げが主です。
インド国内の成長を甘受しやすいのは、サイファイなのかもしれません。
サイファイについては、以下の記事もご覧ください。
ただ、インドの通貨ルピーは年々ドルに対して安くなっているため、ルピーでの売り上げが大半だと、どれだけ成長してもドルベースで見ればマイナスということもあり得ますので注意が必要です。
その他銘柄、資源・エネルギー株[VEDL]
上述のとおり、インドでは製造業へのテコ入れを行っています。
すると、今後、エネルギー需要及び資源需要が増大すると考えられます。
したがって、ヴェダンダ[VEDL]も投資先としては、有望だと考えます。
ただ、ヴェダンダに関しては
- 銅山における工業廃水の垂れ流し→それを隠蔽しようと地元警察を買収→裁判所から銅山の操業停止命令→現在に至るまで操業停止状態
- 上場廃止を検討→株を買い集めるも90%取得に至らずに失敗
など、あまり良いニュースがありません。
私も上場廃止になると聞いていったん売却してしまいました。ただ、やはり今後有望であることは間違いないと考えているので、再度買い集めたいです。
インド株購入におすすめの証券会社
以前、国内大手ネット証券会社3社を比較しました。
日本の証券会社でインド株ADRを取り扱っているのは、SBI証券、マネックス証券、楽天証券です。
私の結論は、インド株を買うならSBI証券一択です。
なぜなら、マネックス証券は取り扱い銘柄が少ないし、楽天証券はVEDLを取り扱っていないからです。
また、SBI証券はSBIネット銀行を経由すれば、為替手数料をかなり低く抑えられますので、3社の中で最も手数料が抑えられている点も評価できると思います。
まとめ:インド株は今後超有望…だが現在は割高感がある。
インドは有望な投資先として世界中の投資家から熱い視線を受けています。
それゆえに、株価は常に割高になっており、投資をするチャンスが中々見つかりません。
そのような状況でも、2020年3月のコロナショックでは、かなり値を下げる場面がありました。私はそのような場面で少額ですが参戦することができました。
現在の株価は割高に見えますが、かといって大きく下げるとも思えません。
したがって今後も少しづつ買い増していきたいと思います。
仮にまた〇〇ショックが起これば、今度こそ大きく買い向かいたいと考えています!チャンスを待ちましょう。
コメント
インド全体への投資などETFはお考えではありませんでしょうか?
ご意見をお伺いできれば幸いです。
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当ブログを閲覧いただきありがとうございます!
ETFについては、勉強中のため、現時点でおすすめできるものはありません。
勉強してみて、皆様におすすめしても良いと思えるものがあれば、記事にしたいと思います!