昨日、ダウ平均株価は市場最高値を更新しました。
ビットコインも一時下落しましたが、反落して1BTC=500万円を超えてきています。
はたしてビットコインはどこまで上昇するのでしょうか。
私は、ビットコインの将来性について、最近疑問を感じています。
今回は、ビットコインが持つ問題点について記事にしていきます。
①唯一性がない
ビットコインは、デジタルゴールドとも呼ばれています。
近年の価格の乱高下を見ると、ビットコインは、「通貨」としてではなく、金などの「商品」として見られていると言えるのではないでしょうか。
金やプラチナが価値を持つのは、その希少性と唯一性からです。
金やプラチナは、科学的手法を用いても、0からそれを生み出すことはできない唯一のものです。
また、採掘できる総量も非常に少なく希少です。
その点、ビットコインはどうでしょうか?
ビットコインは、2100万通貨を上限に、それ以上発行されることはありません。
したがって、希少性は有しています。
一方、ビットコインの仕組みは、オープンになっており、だれもが模倣することができるようになっています。
そのため、いわゆる草コインと言われるビットコインを模倣した仮想通貨が大量に乱立しています。
ですから、唯一性は有していません。
ビットコインは、数ある仮想通貨の中で、「一番最初に始まった」というアドバンテージしか持っておらず、その他の仮想通貨といつでも代替可能です。
この点が、金やプラチナと一線を画しており、将来価格に対してマイナスの要因です。
②通貨としての将来性に疑問がある
ビットコインの一番の魅力は、ブロックチェーンという仕組みによって非常に安全で高速の取引ができることです。
ブロックチェーンでは、10分間に1ブロックが生成され、そのブロックに記録できる情報量は1MBと決まっています。
生成されたブロックが、過去の取引とつながって記録されていく様から、この技術はブロックチェーンと呼ばれますが、先述したようにセキュリティの関係上、1ブロックは1MBの情報量しか持つことができません。
この情報量では、1秒間に(世界中で)6~7回の取引しかできないと言われています。
したがって、現状、ビットコインを利用して、一般の人がお店で買い物をするような状況の実現は、不可能に近いです。
世界人口は70憶人おり、1日は8万6400秒ですから、仮に1人が1日に1回買い物をすれば、1秒間に約8万回買い物が行われることになります。
ビットコインは、その量の1万分の1しかカバーできません。
実際、一般人は、取引所などを介してビットコインの売買を行っており、その売買取引は、ビットコインの安全・高速な仕組みを享受できていません。
結局のところ、ビットコインが通貨のように利用できる未来が訪れる可能性は、現状、かぎりなく低いと言わざるを得ません。
③各国政府の規制がかかる可能性がある
ビットコインの時価総額は、先日100兆円を超えました。
日本円のマネーストック(日本に流通している通貨供給量の総量)は約1000兆円ですから、すでにその10分の1まで迫っています。
国が有する最も強い権力は、「通貨発行権」です。
その通貨発行権を、仮想通貨に奪われるような状況を、各国政府が黙認するとは思えません。
事実、インド政府は、「仮想通貨規制法案」を近く国会に提出する予定です。
仮想通貨は、その性質上、課税のために追跡することが難しく、脱税のツールとして使われてもいます。
そのため、日本でも、より厳しい規制にさらされる可能性があると考えます。
④エコではない
ビットコインでは、マイニングという仕組みによって、取引の安全性が確保されています。
現在、マイニングには、1年間で50テラワットもの電力が消費されていると言われています。
これは、中堅国家(イスラエルくらいの規模)の1年間に使用する電力と比肩します。
世界的なESGの取り組みと逆行するもので、大きく問題視される可能性が高いと考えます。
また、マイニングは、PCのグラフィックボードに大きな負荷をかけます。
グラフィックボードの寿命を著しく短くするため、半導体生成のために使われる電力や資源をも浪費していると言えます。
バブルが弾ける日が来るかもしれない
人間がモノに価値を感じるのは、全て幻想です。
幻想ですが、数多くの人が同じ幻想を抱くことによって、そのモノに価値が生まれます。
しかし、その価値は幻想が生み出したものですから、夢が覚めれば霧散してしまうものです。
近代では、チューリップバブルやITバブル等でその価値が霧散しました。
一方で、金やプラチナ、各国発行の通貨等、夢が覚めないまま、長い年月が経過したものもあります。
仮想通貨が、それらと同じように、長い間、人間に幻想を抱かせ続けられるのか、きちんと考察する必要があると思います。
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